裏庭

山上高人写真展

1995年(平成7年)912日〜17

東京・平永町橋ギャラリー

現在、ゴミ問題は自治体の最大の悩みとなっています。これほどたくさんのゴミを出した時代が、かつてあったでしょうか。行き場を失ったゴミが郊外の道路わきや空き地などに捨てられています。小さな家庭ゴミはもちろんのこと、冷蔵庫、扇風機、テレビ、たんす、布団など家具までが捨ててあります。乗用車、オートバイ、自転車などが乗り捨ててあるのも日常的な光景です。アメリカの副大統領アル・ゴアは「地球の掟」という著書の中で、ゴミ問題に触れています。大量消費ブームにのって意図的に作られたゴミが、勝手に他人の「裏庭」に捨てられる。われわれが今の生活態度を改めない限り、「裏庭」はそのサイズと数を増やし続ける。そして、大地や海、さらには大気までもが汚染され、地球規模の環境破壊がやってくる、と述べています。コマーシャルに踊らされて次々と新しいものを買い、まだ使えるものを捨てる。誰もがこのような経験を持っていると思います。自分自身への反省もこめて、ここに「裏庭」を展示します。

カメラ:ニコンF4、フィルム:フジクロームベルビア、スキャナー:ニコンスーパークールスキャン4000ED、画像処理:フォトショップ6.0

     

アル・ゴアは、副大統領でありながら環境問題の専門家でもありました。「地球の掟」は原題を「Earth in the balance」といいます。ゴアはその著書の中で、地球環境はすべてバランスの中にあり、地球の平和や安全、人類の幸福や未来すべてがその環境のバランスに左右される、としています。今アメリカでは、大統領選挙の真っ只中ですが、前回の選挙でゴアは現大統領ブッシュに破れました。もしこの時、ゴアが勝って大統領になっていたら、今世界はどうなっていたでしょうか。今のイラクがあっただろうか、世界のテロ危機があっただろうかと、考えてしまいます。アメリカの大統領選挙のニュースを目にして、ゴアと「裏庭」のことを思い出し、ここに作品を掲載してみました。

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